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David Booth 、バリュー投資を語る


August 22, 2020

本文は、MarketWatch に掲載された英文記事をご参考までに翻訳したものです。本文と原文との間に相違が生じる場合は英語の原文が優先します。


50 年間にわたって金融市場を学ぶことにより、何か教訓が得られることがあるとすれば、それは「物事は常に大局的に見るべきである」ということです。 投資家は、今日のように不確実性の高い環境の中では、日々のニュースの見出しに基づいて将来を予測しようとしたり、あるいは過去から学んだ有用な教訓を忘れてしまったりするかもしれません。

私は最近、この点について、グロース株対バリュー株という観点から考えることが多くなりました。

ニュースの見出しに踊らされ、長期的な視点を持つことを忘れてしまうことは頻繁に起こることです。マーケットに関するニュースは、投資家の切迫感を募らせる原因となりえます。しかし、私たちには 100 年近くにも及ぶデータや、長期にわたる金融科学の成果があり、これらが指針を与えてくれます。過去の経験から、投資に関する多くの教訓を得ることができます。たとえば、長期で見た場合、株式は総じて債券をアウトパフォームしています。考えれば理にかなっていることですが、株式は債券よりもリスクが高いため、プレミアムが期待されます。

このいわゆる株式プレミアムについては、多くの投資家にとって馴染みがあるものと思いますが、市場のサイズ・プレミアムやバリュー・プレミアムについてはあまり知られていないかもしれません。これらについても、先ほどと同様の議論が当てはまり、過去のデータが裏付けとなります。過去の実績を見ると、より規模の小さい会社の株式は、より規模の大きい会社の株式をアウトパフォームしています。また、株価が比較的割安な株式は、より割高な株式をアウトパフォームしています。

この考えの背景には確固とした理論が存在していますが、日々の市場の中でこれらのプレミアムが常に実現されるわけではありません。実際には、プレミアムが現れない期間が長く続く可能性があり、それは投資家の信念が試されるほど長い期間となる場合もあります。

私は、株式の方が米国短期国債よりもリターンが低いと予測する投資家にはあまり出会ったことがありません。一方、私たちが Dimensional Fund Advisors を創業した 1980 年代初頭は、14年間にわたり、米国短期国債が株式市場を実際にアウトパフォームしていた期間がちょうど終わる頃でした。ビジネスウィーク誌の表紙に「株式の死」と書かれていたのを記憶しています。当時、株式市場が再び上昇することはないだろうと言われていました。その後はご存じのとおり、史上最長規模の上昇相場につながりました。

現在、これと同様の歴史的変動がバリュー株に関して生じています。過去 10 年にわたり、グロース株はバリュー株を大きくアウトパフォームしてきました。しかし、物事は常に大局的に見ることが重要です。Dimensional の研究によると、2009 年から 2019 年までの米国バリュー株のパフォーマンスは、過去の平均値と一致しています(12.9% 対 12.7%)。一方、同期間のグロース株のパフォーマンスは、過去の平均値を大幅に上回っています(16.3% 対 9.7%)。つまり、バリュー株のパフォーマンスは過去の動きと同様である一方、グロース株は過去の動きから逸脱している、すなわち期待を上回るパフォーマンスをあげてきたということです。金融科学が示唆していることは、予想外の好リターンは享受すべきだが、これが繰り返されることを期待してはならない、ということです。

私の見解では、バリュー株に投資することへの理論的根拠は、かつてないほど強くなっています。株式に支払う金額が少ないほど、期待されるリターンも高くなる。これは明快な公式です。しかしながら、バリュー・プレミアムは何らかの理由で消えてしまったのではないか、と疑問を投げかける人もいます。バリュー投資がもはや有効ではないとすれば、経済学の教科書を投げ捨て、新たな公式を生み出さなければなりません。

このような時期に、投資家は何をできるのか、という質問をよく受けます。プレミアムを獲得するためのカギは、一貫性のあるエクスポージャーを維持することです。私たちは、バリュー・プレミアムが日次、年次、あるいは 10 年単位でも実現されない可能性を認識する一方、バリュー株への投資を継続することによって、プレミアムが獲得できることを知っています。

プレミアムがいつ現れるのかは誰にもわかりませんが、現れるときはあっという間の出来事になるかもしれません。実際に、過去の強いバリュー相場は、バリュー株がグロース株に対し最も劣後していた時期の直後に到来しています。例えば、2000 年 3 月 31 日時点において、米国グロース株はバリュー株を過去 1 年間、5 年間、 10 年間、および 15 年間のいずれの期間においてアウトパフォームしていました。しかし、その後 1 年間、大きく市場が動いたため、2001 年 3 月 31 日時点では、これらすべての期間において、バリュー株が優位になりました。

なぜこのような劇的な変動が起こるのでしょうか。人間はうまくいっていることに固執しがちであり、グロース株がアウトパフォームしている間、多くの投資家がこれらの株式に資金を投入し続けます。しかし、多くの長期投資家は違う考え方をします。相対的に割安な株式の期待リターンが高まっており、より多くの投資機会があると考えるのです。たとえて言うならば、バリュー株は後で高く跳躍できるよう、腰を低くしてクラウチングスタートの体勢をとっています。

私は半世紀以上にわたって市場を観察してきましたが、リターンが猛烈な勢いで生じるところを何度も見ています。したがって、マーケット・タイミングを繰り返すことは、誤った投資判断につながる可能性が高くなるため、まったく得策ではありません。リターンを得る時期を決めることはできないし、そのタイミングを予測することもできません。プレミアムを獲得するためには、自制心を持ち続ける必要があります。

私自身が長い金融のキャリアでわかったことは、大局観を持つことが非常に有益だということであり、これにはバリュー株を大局的に見ることも含まれます。友人の Robert Novy-Marx 氏は、「毎朝、バリュー・プレミアムが現れることを期待しながら起きます」と言っています。私も毎朝、バリュー株が大きなリターンを投資家にもたらすことを期待しながら起きています。そして、時間の経過とともに私の確信はますます強くなっているのです。



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